患者さまの笑顔をみたい!!
患者さまは眼科に
何をもとめているのでしょうか?

  昔と違い現在は、患者さまご自身が、この診療所や病院なら大丈夫だと、安心し信頼の置ける医療機関を選んでいます。眼科の医療機関も一緒です。歯医者・目医者は、医者ではないと、以前言われていました。生命に直接関わることが少ないためであると考えますが、命に関わることのある全身病の一つとして、眼症状から病気(糖尿病・動脈硬化・高血圧など)がみつかることも多いものです。様々な眼病をいかに診断し、治療できるかが重要なのです。
 では、ドクターの腕が良い悪いとは、何なのでしょう。患者さまは、もちろん腕の良いドクターをかかりつけ医や主治医にしたくて、評判等を聞きつけて、診察に来られます。整形外科医も含めて、外科系(眼科は分類上外科;多くの町医者は、内科的な目医者さんが多いですが)ドクターの場合、手術の結果が重要な要素になることは間違いありません。その外科医の知識が大変に深く、人柄もよく、そして、ある病気をどう治療するかという判断能力・診断する能力が優れていても、手術が下手では、腕が良いとは評価されません。眼科手術は、視力改善目的がほとんどであるため、術後視力が悪ければ、患者さまは腕の悪いドクターと判断します。 これに対して、小児科医などを含む内科系(外来小手術もしない眼科医も含む)ドクターの場合は、内視鏡検査や、造影検査・静脈注射、涙嚢洗浄・涙嚢ブジーなどを行うことがありますから、もちろん、それらの手技にたけていることが、望まれますが、注射や検査は、それが上手な他のドクターやナースに頼むことが出来ます。かりに、不必要な注射や内視鏡検査は、それを上手に行ってもらっても、意味がありません。内科医に一番求められているのは、病気の診断・治療に関する知識や、ある病気をどう治療するかという判断の的確さではないでしょうか。以上のことを、診療する眼科医自身が、生涯を通じて最善の治療を勉強し続け、眼科医自らが正せば、すべての眼科医が患者さまが言われる「よい眼科医」になれるはずです。

感謝という元気グスリ

 患者さまが、眼科に求めていることは何なのか、それは、基本的には、内科などの他科の医療機関に求めていることと同じことでしょう。これまでの、医療現場の多くは、医療機関中心で、病院・医院のドクターやスタッフの都合などで、患者さまがそれに合わせる診察がほとんどです。今後の医療現場は、いずれ患者さまのニーズに答えて行ける様になるべきです。私が考える理想の患者さまと医療機関の立場関係は、次の通りです。

   患者さま>ナースを含むスタッフ≧院長を含むドクター


 この立場関係が成り立つ医療現場では、新聞報道されているような医療事故の発生率も限りなくゼロに近くなるはずです。患者さまから、診察代としてお金をいただいている限り、我々が医療サービスを提供することは、患者さまに携わるすべてのスタッフが、プロ意識のもと、最高の素敵な笑顔で、個々の患者さまに接することが必要でしょう。目の病気で、目が痛い・見えないと言う不安な気持ちに対して、ナースや主治医であるドクターからの診察毎の笑顔のプレゼントは、どれだけ心理的に治癒効果が期待できるか計り知れません。当院の開業当初は、「○○さん」と、患者さまをお呼びするのにさん付けで、スタートしました。最高の医療サービスを提供していきたいと模索している中で、ドクターである私自身は、最善の治療を行うことによって医療サービスを提供できますが、○○さんと言う呼び方では受付から診察・検査・処置等の医療空間の中で、結果として患者さまが弱い立場であることを感じるようになりました。そのため、さま付けスタイルに開院1年後からはじめました。当初は、私も含め、さん付け医療現場で慣れていたスタッフは、1週間ほど、ぎこちなかったのですが、今では、それが自然な雰囲気をだしています。患者さまとお呼びすることが、当たり前になっている私自身、学会での質疑応答でも、「うちで診ています○○の症例の患者さまがいらっしゃるのですが、治療上のアドバイスをお願いできないでしょうか?」と言う具合に、自然とさま付けで発言してしまうほどです。また、スタッフからも「市役所や郵便局に行ったら○○さんって、呼んでいるのを聞きますが、言葉だけでも、接客感は全然違うのですね。」と言う話を時々耳にします。最高のサービスを提供し続けていきたいと願う私の気持ちを、スタッフが良く理解し実行しています。個々の患者さまに対して、それぞれのスタッフが、笑顔で接することで、感謝の気持ちの声が患者さまからスタッフに掛かります。「ここは、先生も優しくて良い先生ですが、看護婦さんも含めて、皆さんが優しいので、目の病気で困っている知人にここを紹介しているのよ。」と。ある時、診察が終わってからスタッフより、「この間も何人かの患者さまが言われていましたよ。」と報告がありました。院長として、なりより嬉しいのが、一緒に働いているスタッフへの高評価です。評価され感謝されたスタッフは、さらに良い医療を提供したいと考える元気グスリを患者さまから頂いているのだと思います。

眼科に求めているものとは

 患者さまが眼科に何を求めているのかは、

1、他科も含めて、医療サービスの向上である。
2、信頼がおける医療機関を求めている。
3、スタッフやドクターの最高の笑顔。

 そして、上の3つが該当する医療現場では、状況に応じて、患者さまの笑顔が見られるのではないでしょうか。患者さまの笑顔は、それに値する心暖かいサービスの提供を受けて、病気の治癒過程で発生するものではないでしょうか。より良いサービスは、普段から持ち続ける向上心と努力で提供できるのでしょう。当院では、スタッフが交代で朝礼(5分程度)を行っています。前日のスタッフの家庭での話のこともありますが、診療をより良くするための反省点や改善点が見えてくることが多く、それを踏まえて、月に1回のスタッフ全員参加のミーティングで、問題点の解決策や目の病気等の勉強会を行って、常にスタッフもドクターも良い医療を提供する上で、進歩していこうと努力しています。網膜硝子体疾患の患者さまの多くは、視力予後が不良な事が多く、患者さまからの笑顔を見られる機会は、少ないのですが、時に、糖尿病網膜症でも、笑顔が見られます。レーザー光凝固療法が必要なことを十分説明し今後の経過等を理解(十分なインフォームド・コンセント)していただいてからの治療では、月に何回かのレーザー治療通院を患者さまも努力(家庭や仕事の都合をつけて)し、増殖性変化が沈静化した場合では、定期的な診察での病状説明で「糖尿病網膜症は、今のところは、落ち着いていますから心配ないでしょう。」とお話しすると、患者さまは、笑顔で「あーよかったぁ。先生にそう言ってもらうと安心や。」と言ってくださり、必ず定期的な検査を受けてくださっています。レーザー治療に至るまでの過程で、主治医である私だけでなくナースや受付のスタッフも、「今のうちにレーザー治療を受けておけば、まず失明することはないのですよ。仕事が忙しくてレーザー治療にも通院出来ないとおっしゃられますが・・・・。頑張って一緒に治していきましょうよ!」と治療の必要性を何度も説明しましたある患者さまは、今では、糖尿病網膜症の中でも優等生の患者さまのお一人になっておられます。また、劇的によく見えるようになる白内障手術後の患者さまの多くは、術翌日の見える喜びとともに最高の笑顔を我々に見せて下さいます。その笑顔を見たくて私自身メスを持っているのだと実感させられる瞬間です。手術も含めて、その患者さまに携わっているスタッフみんなも、同じような気持ちで術後の視力検査や術後のオリエンテーションを行っているのだと思っています。

スタッフみんなの笑顔が、病気で苦しんでおられる患者さまの心に灯り、患者さまのステキな笑顔を生む大きな光になることを信じています。